フラとの出会いは47歳の時。当時は社交ダンスに夢中だったの。
国道242号線に、突然現れるハワイテイスト満載の看板。ハワイ語で最愛の仲間を意味する「ホアロハ」と読むその建物は、フラダンススタジオ。今回は「STUDIO HOALOHA」の主催者、荒川則子先生をお訪ねします。 踊ることが大好きで、ダンス歴のスタートは社交ダンスから。それにマンドリンね。横浜でハワイアンバンドのライブを観に行った時のこと、楽器ができるならウクレレ弾いてみない?と誘われて。ウクレレって魅力的だし、二つ返事でバンドに参加することになりました。
バンドで横浜周辺の施設を回っているうちに、今度は、女性がいるならフラダンスもやってよ!という声があがってきて。16年前、今、63才だから47才の時ね(一同ビックリ。60代には見えません!)。当時は、幅広い知識を有するマルチ人間に憧れていたものだから、フラを始めたのよ。 ひたちなかの大きなスタジオで4年ほど習った頃、独立を認められたの。
最初はビアガーデンなどを回ってショーをやっていたのだけれど、いつのまにか生徒さんが増えてね。今では、茅ヶ崎から横浜まで22クラスを受け持ち、全部で250人ぐらいの生徒さんがいらっしゃいます。
鹿嶋にスタジオ開設を決意!何しろ土地が安いのが魅力でした! 当時は、神栖に住んでいて、鹿嶋の生徒さんを通いで教えていたの。公民館や幼稚園などを借りてね。そのうち人数が多くなり、公共施設では収まらなくなってきた頃に、主人がちょっと早く退職してくれて。彼の退職金を借りてつくったのがこのスタジオ。今、一生懸命返済しているわよ。
鹿嶋に決めた最大の理由は、土地が安かったから!いろいろ候補地はあったのだけれど、安さ、首都圏とのアクセスの良さ、自然環境の様々な面で、私にとっては鹿嶋が一番でした。スタジオを持つ良さは、自分の好きな日程でできることね。延長も問題ないし。建築予算は限られたものだったので、最初は、掘建小屋でも良いかなと思ってね。
ハワイには、コンテナの中に藁を引いただけのスタジオもあるのよ。たまたま生徒さんに大和ハウジングの飯島社長と知り合いの方がいて、その関係でご相談したら、すごく頑張ってくださって、こんなに素敵なスタジオ(建坪60坪の立派な建物です)になっちゃったのね。本当にあの社長は、お顔は強面だけど、優しいかたね。 今年の目標は、フラを含めたダンスフェスティバルで鹿嶋を元気にすること
今年は全国ネットでハワイアン・フェスティバルを立ち上げようかなと思っているの。昨今は、町おこしとしてフェスティバルが盛んなのよ。ヒップホップとか全ジャンルが集うダンスフェス。ハワイからゲストを呼んだり、結構大掛かりなプランなのだけど、もちろんお客様は無料にしないとならないので、もう大変。アントラーズのスタジアムを借りようと打診したのだけれど、ダンスは芝生を痛めるから貸せませんと言われて(笑)。どこか良い会場はないかしら?
フラで笑顔を鍛えると、心と身体の健康はもちろん、周囲の人までも元気にできる!? 46才の時に乳がんになりました。でも裸足でフラを続けていたら、体も元気になって、切らずにすんじゃったの。だから未だにこんな格好をしていられるの(笑)。
フラは、単独の踊りじゃないから、皆で合わせる必要があるし、それにフラといえば笑顔でしょ。笑顔で一緒に踊っていると、みんな元気になっちゃうのよ。生徒さんで義母と一緒に通ってくる方がいらっしゃるのだけど、先日、彼女から「フラを始めてから、お義母さんが私の悪口をいわなくなったわ」って喜ばれちゃいました。
表情も豊かになるから、オーラも湧き出るのよ。学校の集まりでも他のお母さんから「あのひと素敵ね」ってことになるみたいよ。社交ダンスのほうが難しい感じがするけど、フラのほうが今は奥が深いと感じます。 女性にとって嬉しいのは、半年も練習すれば身体のラインがくびれてくることね。楽しいから続けられるのもダイエットにはぴったり。
私のスタジオは他と比べて本格的と思われているみたいで、つまり色々な面で厳しいと思われているみたいなんだけど、それは本当に誤解なの。誰に対しても強制はしないし、そもそも、無理せず楽しもう!というのが、私のモットーなんだから。
基本を覚えるには1年くらいかかるけれど、お祭りで踊るくらいなら半年で大丈夫。それに半年でも身体がくびれてくるの。若い子たちも教室に来た頃は結構ぽっちゃりしている子も多いのだけれど、ステージに立つ毎にくびれてくるのよ、それはもう見事に。昨年の大和ハウジング忘年会でフラダンスショーをご覧になった?あのステージに立った方は、鹿嶋や神栖周辺の方で、全部私の生徒さんです。皆さん、魅力的だったでしょう?メンバーには地元のひとは少なくて殆ど移住してこられた方かな。
この看板が効いたみたいね。去年だけで、生徒さんが40人くらい増えたのよ、いろんな新聞社の取材も受けました。 ファミリーで楽しめるのがフラ。でもご年配の方にこそ、フラで足腰を鍛えて、いつまでも健康でいてほしい。
この鹿嶋スタジオには、まだ10人くらいだけれど親子で来てくださる方もいらっしゃるの。フラはファミリーで楽しめるのよ。横浜の教室には、おじいちゃんがウクレレ弾いて、親子三代で楽しまれている家族がいらっしゃるわよ。 私が60代なのに、鹿嶋の生徒さんは若い子たちが中心で、同年輩は3人しかいないのよ。金曜日の13時半がクプナ、つまり年配の方のクラスね。ちなみに、若い子たちはワヒネ、子供はケイキと呼び、大会などはこのカテゴリー別で審査されます。
教室では、肌は露出しないし、衣装も普段着。裸足でね、ハワイアンを聴きながらステップを踏むだけ。足腰は間違いなく丈夫になるわよ。練習だけじゃつまらないから、公民館祭りにでようとか、大和ハウジングさんのイベントでステージにあがってみようかとね。そう思った方がステージに立てば良いわけで、本格的にやるやらないは、いっさい自由。強制はしないし、そんな雰囲気もありません。だから最近足がもつれるなぁ~、なんて方に、フラは最適ですよ。
ひとりで来るのが恥ずかしかったら、お友達どうしで誘い合って。難しく考えず、普段着で、気軽にトライしてみてほしいの。
本来は戦いの踊り。ハワイでは男性の先生の方が多いの。勿論、男性ダンサーも大勢います。鹿嶋の男性もフラを始めましょう! 最初は、音楽にあわせてステップを踏み、40分ぐらい楽しく身体を動かすだけ。というのも、大抵の方は1時間は持ちません。それだけでも続けているうちに、筋肉が強くなります。私は12キロの孫を2時間おぶっても大丈夫。バンドもまだやっているけど、30キロのアンプなんか今でも平気で持つからね。
60代は年配者とはいわないけれど、それなりに足腰は弱くなるでしょ?そもそもフラは戦いの前に勝利を願う踊りなので、ハワイでは男性ダンサーのほうが多いのよ。笑顔で中腰でね、ステップを踏んで、下半身を鍛えてね、若さを取り戻しましょうよ。
鹿嶋の男性のみなさん、男はいつまでも戦士たれ。フラでパワーアップしましょうよ?皆さんに伝えていただける?男性も募集中です! 取材後記:その人がいてくれるだけで周りが明るくなる。元気オーラのなかにも細やかな気遣いに溢れる荒川先生は、まさにそんな存在です。スタジオは、ハイビスカスが咲き乱れるハワイのような雰囲気で、あっと言う間に時が過ぎていくような取材でした。フラダンス、習ってみようかなぁ。