広々としたお庭にはガゼボのある暮らしとブメーベリーの生け垣
今は亡きご主人と、いろいろな場所を探したという長谷川さんは、この土地を新聞広告を見て探し当てたのだそうです。畑・つり・ゴルフを目的として移住場所を探されていたそうですが、熱海は坂が多いし、千葉は海の見える場所の土がいま一つ良くないなどの理由で却下。この鹿嶋の土地へは埼玉県からの移住です。
庭造りや野菜作りもしてみたいし、ゴルフ場も近いしということでここを選んだのですが、なんといっても海を見渡せる丘に立つ家と美しく手入れされた庭は、誰もがうなるほどの眺望です。 そして、リビングの大きな窓からは海の様子が一望できます。この景色を見れば誰でも住んでみたくなる、と思わせるほど見事な景色が、まるでキャンパスに描いたように窓わくに張り付いているのです。
この風景は他には見られない、まして都会の真ん中に暮らしている我身には驚きと感激でいっぱいになりました。そして、「朝の海はもっときれいに輝いているに違いない!」と思わずにいられませんでした。
「朝の海に貨物船が見えて、この風景はとても癒されますよ」と長谷川さん。8年前に移住されたのですが、3年前にご主人が他界。「一人になったらここにはいられない」と思われたそうですが、なによりもお花が好きだし、東京には畑のできる手ごろな所はなさそう、と結局ここに住み続けることに。確かに高台にありますから、運転ができないと何もできない場所ですが、今はこの花々を育てて、野菜を収穫し、果物を実らせることで充実した毎日を送っているそうです。
「垣根になっているブルーベリーは大和ハウジングさんが植えてくれたんですよ。こんなに大きくなって毎年数十キロもの実がとれるんです。お友達が摘みにきてくれてたくさん持って帰ります。
残りはジャムにしたりして、冷蔵庫もいっぱいになります」と楽しそうにお話しして下さいました。長谷川さんの野菜作りは、なごみ館の前で習い始めたのがきっかけですが、あとは自己流との事。それにしても土地が広いので、畑仕事も半端じゃありませんよね。
今年、すいかは20個とれたそうですが、7個はハクビシンにやられたそうな。またハクビシンは夜な夜なビワを食べにやってくるそうです。そして、どうも庭にはモグラがいるらしいとの事で、モグラの出入り口らしき場所にはレンガが置いてありました。他にも甘夏やキンカンの木があり、花は咲いていませんでしたがたくさんの薔薇の木があり、ティータイムやバーベキューをするには持ってこいのガゼボという設えです。
なるほどこのお家は、土いじり好きには楽しくてしょうがないと思わせるメルヘンがあります。お米以外の野菜はほとんど自給自足ということですが、長谷川さんはこんな風にも語ってくれました。 「花いじりは好きな時に好きにやっているし、草刈りは大和ハウジングさんにしてもいます。でも芝刈りは自分でやります。野菜は自己流でも結構収穫があり、収穫する時は楽しいですよ」と。
お嬢さんとお孫さんに会いに東京にはよく出掛けるそうですが、専らラインで交流中。PCはお仕事(会計事務所勤務)をしていた関係でお手の物で、今は一人でも大丈夫。とはいえ、この暮らしに慣れるには(ご主人を亡くされて)3年がかかったと、つぶやくようにお話しして下さいました。
週2回はプールに通い、木曜日にはふれあいセンターで体操、土曜日ははまなす体育館でヨガを行っているそうです。大和会の役員をして事もあり、盆踊りの時には浴衣姿で受け付けもしていたそうですが、今年は役員を辞退しました。
毎日とても自由に充実した生活を送られているご様子の長谷川さんですが、「ここ(鹿島)に来たから乗り越えられた悲しみもあった」という言葉が印象的でした。
人生の節目は誰にでも訪れるものです。悲しい出来事や思わぬアクシデントもあることでしょう。しかしそれを乗り越えられる力も人には備わっていることを長谷川さんが教えてくださいました。たとえばそれは、自然の営みに触れることや、癒される風景に包まれて過ごす毎日なのかもしれません。
それにしても、大きな窓からの海の見渡せる景観を壊したくないとの思いで、お隣の区画を買いとっちゃったって、すごくない!!